リハビリの専門職の1つに理学療法士(PT)という職業があります。理学療法士は、スポーツ選手がケガや病気から復帰するときに携わることも多いためご存知の方も多いでしょう。しかし、実際にどんな仕事をしているのか、なかなか想像しにくいですよね!
そこで、この記事では理学療法士とはどのような職業なのか、なるべくわかりやすくお伝えしていきます。前提となる資格やキャリアパスの描き方についても触れていますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
理学療法士(PT)とは?
身体の機能を回復する専門家
理学療法士は、病気やケガ等で身体の機能が低下した方に対し、運動療法やマッサージ等を用いて機能回復を図る専門家です。
理学療法士(PT)の仕事内容とは?
リハビリ対象者の情報収集を行う
理学療法士は、まずリハビリの対象となる方の情報収集を行います。その後、対象者が今後どうなりたいのかを一緒に考えていきます。
治療計画を作成、実践する
対象者との話し合いで今後の方針が固まったら、治療計画を作成します。その後は計画に基づいて治療を行いますが、途中で状況が変われば臨機応変に対応します。
他の職種と情報共有を行う
医者や看護師など、他の職種と情報共有を行うことも理学療法士の仕事です。ケアはチームで行うものですので、円滑なコミュニケーションが必要になります。
理学療法士(PT)の給与・年収は?
一般的に理学療法士の初任給は約20万前後と言われていますが、専門学校卒や大卒といった資格の他、施設や病院といった勤務先によっても収入は異なります。
また、専門職であるがゆえに、実務経験年が給与に反映されやすく、転職の際には経験年数に応じて給与が上がる傾向があります。
理学療法士(PT)の働き方や就職先は?
病院で働く
理学療法士が働く場所として最も多いのは病院です。病院では病気やケガで入院している対象者へ、運動療法やマッサージを行い治療します。また、退院計画を作成することもあります。
訪問リハビリを行う
病院や施設ではなく対象者の自宅に訪問してリハビリを行う働き方もあります。この場合、個人の自宅を訪問するため、対象者の生活に合わせたリハビリを行うことができます。たとえば、階段を上り下りするために歩行練習を行う、といったことが挙げられますね。
訪問リハビリの場合は、必要に応じて対象者にデイケアなどの通所施設に来てもらい、リハビリを行う場合もあります。
スポーツ選手を支える
身体が資本のスポーツ選手にとってケガをして身体が動かなくなることは一大事です。そんなスポーツ選手のリハビリを行い、復帰を支援するのも理学療法士の仕事です。
じつは理学療法士を目指す方はスポーツが好きな方が多いです。
理学療法士(PT)に必要な資格とは?
理学療法士国家試験受験資格
理学療法士になるには、国家試験に合格しなければいけません。受験資格を得るためには、専門学校や大学等で必要な単位を取得する必要があります。ただし、夜間制の学校もあるので、働きながら勉強するということも可能ですよ。
取得しておいた方がよい資格
介護職員初任者研修
この資格は「今まで医療や福祉に関わったことがない」という方にオススメです。今まで別の仕事をしてきたけど、理学療法士の仕事をしてみたいという人もいますよね。しかし、「医療福祉の分野が自分に合っているのか」と考えてしまうものです。
なので、まずは介護職員初任者研修の資格を取り、介護職員として働いてみましょう。実際に働いた上で、理学療法士になるかどうか選ぶことをオススメします。
住環境コーディネーター
理学療法士になったときにオススメする資格として、住環境コーディネーターがあります。この資格は、高齢者や障がい者のための住環境を整えるためのアドバイスを行うことができる資格です。特に訪問や通所でのリハビリを行う理学療法士の方には、オススメです。
理学療法士(PT)のキャリアパスの描き方は?
職場でのキャリアの描き方
職場でのキャリアの描き方として、1つの職場で長く経験を培うことが挙げられます。理学療法士は転職しやすいというのがメリットとしてありますが、1つの職場に長く務めることで、昇給や昇進できる可能性も高くなります。
個人でのキャリアの描き方
認定理学療法士(PT)を目指す
認定理学療法士は、専門領域に関連するテーマで論文を発表するなど、一定の業績をあげ、審査や試験に合格すると、協会から認定されます。認定理学療法士になると、その領域のプロとして認められ、プロジェクトや意見交換会に参加することができます。
社会福祉士を目指す
より幅広く対象者を支援したいと考えている人には、社会福祉士の取得がオススメです。対象者が生活するにあたって、福祉サービスの利用は必要不可欠です。社会福祉士は、福祉のサービスや制度に関する専門職です。2つの資格を持っていれば、より対象者の生活を支えることができます。
まとめ
このページでは理学療法士(PT)の仕事内容と必要な資格、将来のキャリアパスについてまとめてきました。いかがでしたでしょうか?
理学療法士(PT)の主な仕事内容をもう一度まとめると、
- 病院でリハビリを行い、身体機能の回復を図る。
- 訪問や通所でリハビリを行い、生活を支える。
- スポーツ選手の復帰を支える。
ということです。
理学療法士になるには、膨大な勉強が必要であり、その上、人の生活に関わる仕事です。なので、「興味がある」「安定している」という理由だけでは理学療法士になることは難しいです。どんな学校があるのか調べ、可能であれば見学に行ってみましょう。その上で、自分が本当に理学療法士になりたいのかどうか、よく考えてから選択することをオススメします。