介護職は人間関係で悩むことが多い職業です。その実態を裏付けるかのように、ある人材紹介会社の調査では、介護職の退職する理由で最も多い原因は人間関係のトラブルよるものであるという結果が出ています。
介護職が人間関係で抱える悩みは、どのようなものがあり、何が原因なのでしょうか。また、悩んでしまった場合の具体的な対処方法はあるのでしょうか。
ここでは介護の現場で起きる人間関係のトラブルの種類と原因、具体的な対処方法についてまとめています。
目次
介護職が人間関係で悩む原因は3種類
利用者さん(要介護者)との人間関係で悩む
一つ目は、介護施設や介護サービスの利用者さんとの人間関係で悩むパターンです。代表的なトラブルは、性格の不一致やパワハラ・セクハラなどがあげられます。
「仕事なのだから、がまんしろ!」という声も聞こえてきそうですね。
しかし、それはあまり建設的な声ではありません。無視してOKです。自力でトラブルを処理しきれず抱え込んでしまう、そういった職員も介護の現場には少なからずいるのです。
たとえば、認知症を抱えている利用者さんから、一方的に嫌われてしまったときは困りものです。利用者さんとの信頼関係を時間をかけて築いていければよいのですが、あなたに余裕がないかもしれません。そのような場合は、上司に異動を掛け合ってみるのも良いでしょう。規模が大きい施設であればあるほど、担当を代えてもらえる可能性があります。
利用者さんのご家族との人間関係で悩む
二つ目は、利用者さんのご家族との人間関係で悩むパターンです。この手のトラブルは訪問や面会のときに発生しやすく、時には電話や連絡帳の文中でも発生します。ちょっとした要望ものありますし、モンスター級のクレームもあります。
クレーム自体は貴重なご意見でもあるのですが、実際に受け付けると凹みますよね…。一生懸命に仕事をしているにも関わらず、評価されないのはなかなか辛いものがあります。
個人ではなく職場への“ご意見”として処理されるべき
利用者さんのご家族から受けたクレームは、その内容を問わず職場が受けたご意見として処理されるべきです。なぜなら、たとえ個人に対するクレームであったとしても、職場が受けたものとして処理されることで、個人の心理的な負担は減るからですね。
また「どんな意見を受けて、どのようなに対処したか」が職場のノウハウとして蓄積されていきますので、再発防止に役に立ちます。
同僚との人間関係に悩む
三つ目は、同僚との人間関係に悩むパターンです。介護の現場では、様々な職種の方が同じチームで働いています。立場が異なれば意見も異なるのも当然です。つまり、それだけ衝突する可能性も高いというわけです。
実は、介護職が辞職するほど悩むトラブルは、同僚との人間関係に起因するものが最も多いのです。
同僚との人間関係でトラブルが発生する理由
同じ仕事を分担するのでトラブルになりやすい
介護職の人間関係が悪くなるは、同じ仕事を分担して行う業界だからといわれています。つまり、仕事ができない人はどうしても量が少なくなり、逆に仕事ができるは量が多くなるのです。
このような状態が長く続きますと、仕事ができる人は「割に合わない」という気持ちに次第になっていきます。逆に仕事ができない人は周りに申し訳ないという気持ちになってしまいます。
現場の雰囲気に敏感な職場であれば、シフトを調整することでバランスをとってくれるのですが、実際はむずかしいことも多いようですね。
正解か決まっていないので、意見の衝突が起きやすい
介護には正解がありません。たとえば、歩行ができない認知症の方へ対応で意見が割れることがあります。なぜなら歩行機能を維持または改善できるのは良いことですが、認知症の方は歩行時の転倒リスクが高いためです。
このような場合、ミーティングで方針を決めて進めていくのですが、はっきりと意見を述べる人の意見はとおりやすく、控えめな職員の意見はとおりにくいのです。
まとめ
介護職が人間関係で悩む3種類の原因をまとめてきました。いかがでしたでしょうか?
人と人が関わる以上、人間関係の悩みは付き物です。しかし、立場の異なる人間が集まる介護の現場では、他の職場よりもトラブルが発生しやすいといえるでしょう。
トラブルが発生したときは、たとえ当事者であったとしても客観的な視点を保つことが何より大切です。そして「話を聞くこと」からはじめて見てくださいね。