高齢化社会である現在、介護福祉士の需要は多くなっています。しかし、介護福祉士の仕事は、3K(きつい、汚い、給料が安い)のイメージがありますよね。そこで、介護福祉士が実際にどんな仕事をしているのかをお伝えしていきます。
目次
介護福祉士とは?
高齢者(以下利用者)の生活を支える
介護福祉士の仕事というと、オムツ交換や食事介助を行うというイメージを持つ人が多いです。介護福祉士の仕事の主な目的として、利用者の生活を支えるということが挙げられます。入浴介助や食事介助は、あくまで仕事内容の一部なのです。
介護福祉士の仕事内容とは?
利用者の介護を行う
身体が思うように動かない利用者に対し、食事や入浴の介助を行います。大切なのは、介助者が全て行うのではなく、利用者が出来ることはやってもらうことで、自立支援や残存機能の活用を促します。
利用者や家族と信頼関係を図る
利用者の介護を行うためには、利用者や家族との信頼関係を培うことが必要不可欠です。利用者や家族の側からすると、他人に身体を任せることになります。安心して介助を行うためにも、コミュニケーションを図ることは必要不可欠です。
記録を作成する
介護福祉士は介助をするだけでなく、介助した結果の記録を残すことも大切です。「なぜその介助を行ったのか」「その結果どうなったのか」を家族や他職種に説明するために必用だからです。
また、利用者の状態は日々変化していきます。第三者が利用者の状態を把握するのに、そのとき介助を行った人の記録は重要なものになります。
介護福祉士の給与・年収は?
介護福祉士の平均給与は約20万前後です。通所などの日勤帯のみの場合は、給料が少ないです。また、雇用形態や経験年数、資格の有無でも給料に差が出てきます。
介護福祉士の働き方や就職先は?
介護施設で働く
介護福祉士が多く働く職場として、介護施設が挙げられます。一口に介護施設といっても、生活の場となる特別養護老人ホームや、認知症の方が共同生活を行うグループホーム、リハビリを行い在宅で生活することを目的とした介護老人保健施設などがあります。
通所施設や訪問事業所で働く
デイサービスなどの通所施設は、比較的介護度が軽い人が利用しているので、レクリエーションなどの活動を多く行います。何かを企画するのが好きな人にはオススメです。また、利用者の自宅にて介護を行う訪問介護も、介護福祉士の職場の1つです。
これらの職場の特徴として、夜勤がない職場が多いということです。施設ではシフト制のため、変則的な勤務になります。対して通所施設や訪問事業所は、勤務時間がある程度決まっているので、体調管理がしやすいというのがメリットとして挙げられます。
病院で働く
病院で働く場合、「看護助手」として働く場合が多いです。病院の特徴として、給料や福利厚生が整っているということです。また、医師や看護師などの他職種と関わることができるので、多くのことを学ぶことができます。
介護福祉士に必要な資格とは?
介護福祉士国家試験受験資格
介護福祉士になるには、国家試験に合格しなければなりません。国家試験を受験するためには、3年以上の介護経験に加えて、介護職員実務者研修(以下実務者研修)を受講する必要があります。実務者研修は指定された事業所で講義や実技を行い、試験に合格すると認定されます。
また、短大や専門学校に入学するという方法もあります。しかし学費がかかることと、夜間制の学校が少ないので、働きながら勉強することは困難です。なので、上記のように3年以上現場経験を培って受験資格を得るほうが良いです。
前提となる資格
介護職員初任者研修
初めて介護の分野で働くという人には、介護職員初任者研修がオススメです。この資格は、介護の基本的な知識を身に付けることができます。また、資格手当を出す職場も多いので、働く上でもメリットがあります。
あわせて取得したい資格
合わせて取得するのにオススメな資格として、前述した実務者研修があります。この研修は介護福祉士の国家資格を受験するためには必要不可欠なので、将来介護福祉士を目指す人には、早めに受講すると良いです。
介護福祉士のキャリアパスの描き方は?
職場でのキャリアの描き方
職場でのキャリアの描き方として、スキルアップを図ることです。具体的には、現場経験の年数を培う、研修会などに積極的に参加するといったことが挙げられます。
また、近年特別養護老人ホームは、ユニットケアという個別ケアが重視されています。ユニットケアには、「ユニットリーダー」というリーダーの存在が必要不可欠です。ユニットリーダーになるには、ユニットリーダー研修を受講することが求められます。個別ケアに取り組みたいと考えている人は、この研修を受けることもスキルアップの方法の1つです。
個人でのキャリアの描き方
認定介護福祉士を目指す
認定介護福祉士とは、一定以上の経験年数や実績をもとに、介護福祉士協会が認定するものです。認定されると、質の良い介護の提供や、教育指導、マネジメント業務などを担うことができます。
介護支援専門員(ケアマネージャー)を目指す
ケアマネージャーとは、心身が不自由になった人に対し、どの程度介護が必要なのかを把握し、介護認定を行う職種です。この資格を持っていると、利用者が今どのような状態なのかを把握することができ、効率的で質の良い介護を提供することができます。
まとめ
このページでは介護福祉士の仕事内容と必要な資格、将来のキャリアパスについてまとめてきました。いかがでしたでしょうか?
介護福祉士の主な仕事内容をもう一度まとめると、
- 食事や入浴などの介助を行う。
- 利用者や家族との信頼関係を構築する。
- 記録を作成する。
ということです。
これから高齢者が多くなるにつれ、介護福祉士も多く求められています。他職種に比べると給料は安いですが、人の生活に密接に関わる仕事であり、やりがいはあります。興味を持ったら、まずはボランティアなどで施設見学を行うことから始めることをオススメします。