介護の現場では、介護士、看護師、歯科衛生士、作業療法士といった様々な職種の人間がチーム一丸となって利用者さんにサービスを提供しています。チームメンバーの一人ひとりが統一された意思をもってサービスを提供することは、利用者さんの生活の質(QOL)の向上に繋がるのです。
つまり、介護職員のリーダーはメンバーの意思が統一されたチームを作りを求められるでしょう。では、リーダーはチームをどのようにまとめていけばよいのでしょうか?
ここでは、介護の現場で実際にリーダーを経験した筆者が、チーム作りのために必要な3つのスキルについてご紹介します。現在リーダーとして活躍されている方、これからリーダーを目指される方の参考になれば幸いです。
目次
介護職員のリーダーに必要な3つのスキル
異なる職種を理解すること
冒頭でも述べましたが、介護現場のチームには介護士はもちろんのこと、看護師や歯科衛生士といった職種も存在しています。また外部の事業者がサービスに関わってくる場合もあります。このように多種多様な職種のメンバーが集ると、意見が食い違うことも多々あります。チーム内の紛争はサービスの質に良くない影響を及ぼすこともあるでしょう。
そのためメンバーをまとめるリーダーには、介護士の意見だけではなく他の職種の意見についても耳を傾け、チームの意思を統一することが求められます。対立が発生してしまったときは率先して間に入り意見の交通整理をすることも必要でしょう。
メンバーの相談窓口になること
チームのメンバーが仕事や私生活での何らかの悩みを抱えていると業務に好ましくない影響が出ることがあります。特に、仕事上の人間関係が悩みの種である場合にはそれが顕著です。そのため、チームのリーダーは、メンバーが悩みを抱えていることに迅速に気が付き、問題の解決に努める必要があります。
しかし、リーダーの役割はあくまで相談窓口であるということを忘れないでください。
なぜならリーダーが「自分ひとりで解決できる」と思っていても、思い込みや早とちりといった主観が邪魔をすることがあるからです。大切なことは、問題が起きたら上司へすぐに報告し客観的な意見を聞くということ。切り口の異なる意見を聞くことで問題を再定義することができるのです。解決の糸口もより見つけやすくなるでしょう。
もちろん、メンバーから得た情報を第三者に話すときは信頼を裏切らないようにしてくださいね。
チームの方針に沿った援助の展開
どのような援助を利用者さんにして行くのか、という方針が決まったらチームのメンバー全員が均一のサービスを提供できることを目指します。当然、リーダーは方針に沿った援助を率先して行い他のメンバーの模範となる必要があります。また、時には方針に反したメンバーに修正を求めていかなければなりません。
その際、叱責するだけではあまり意味がありません。
まず、メンバーの意見を聞いたうえでチームの方針を一緒に再確認しましょう。ここでは相手が納得できるような伝え方をすることが大切です。そして、チームの方針に沿った援助ができるまで見届けましょう。
チームの方針に沿った援助できるまで見届けるとは?
チームの方針をあらためて伝えるだけで十分でしょうか?たしかに言葉でいえば大抵のことは伝わるものです。しかし、方針に沿った援助ができないのは習慣になっていないからです。思考と行動は別ものですから言葉だけでは不十分なのです。
最良な方法は、リーダーが実演しメンバーに実践させることの繰り返しです。何回か繰り返すうちに必ず身に付くものですので、根気強く指導していきましょう。
おわりに
ここでは介護職員のリーダーに必要なスキルを3つご紹介しました。どの介護施設や事業所でも応用が効くスキルですので、ぜひ身に付けてくださいね。
特に、チームの方針に沿った援助ができるまで見届けることは普段意識していないと中々できるものではありませんが効果は抜群です。メンバーが互いに切磋琢磨できるチームを目指していきましょう。